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塾頭コラム#58:「ミスをするな!」はNGワード!?


すでに大学入試では大学入学共通テストが、高校入試では私立専願入試が終了しています。今年も受験シーズン本番に突入しているわけです。ここまで努力を積み重ねてきた受験生にとって、最後のハードルは、「当日に力を発揮できるかどうか」でしょう。学力は伸びてきました。あとは自分の力を出し切れるかどうか…ということですね。

そうなると「ケアレスミス」「凡ミス」が大きな分かれ道になります。私の経験上、かなり多くの受験生が、「ミス」の多寡によって運命を左右されていると思います。ここまで鍛えてきた受験生同士の競争ですから、ほんの紙一重が運命を分けるのです。

そんな中、先日行われた中3保護者対象の入試直前保護者会では「『ミスをするな!』という声かけでミスが増える可能性がある」ということについて言及しました。受験においては、誰もが「ミスをしたくない」と思っていますし、時間があれば「見直し」もします。それでもなかなかなくならないのがミスなのです。なぜなら、「ミスをなくすための具体的な方策」を持たずに、心だけでミス撲滅に臨むからです。ろくな装備も整えずに気合だけで冬山登山に挑むようなものです。そうではなく、「問題文中の数字には○印をつける」「問題文の文末に線を引く」「分数の計算の際は二度計算する」「試験時間が残り●分になったら、見直しに入る」など、ミスをなくすための具体的な行動に触れる必要があります。

近年は、ミスを意識するあまりに委縮した状態でテストに臨む生徒が増えているような気がします。「ミスをしてはいけない…」と自分自身の心に重圧をかけて、余計にミスが増えているのです。スポーツでもミスが勝敗を分けると言いますが、だからといって「ミスをしないように…」と怖がりすぎている選手のもとに栄冠は輝きませんよね。ミスの怖さを知りつつも、過剰に恐れずに、ミス撲滅の具体策を実行する必要があるのです。「ミスをしないで!」という声かけよりも、上記の例のように、「●●をしよう!」という、具体的な行動について、確認してあげるようにしましょう。

同様に、勉強でもスポーツでも、「頑張れ!」「勝て!」「良い点をとれ!」という声かけは、時に重圧として子どもに負荷をかけることがあります。「ボールをよく見て」「腰をしっかり落として」「●●な場所にはアンダーラインを引いて」「開始前に深く深呼吸をして」のように、具体的な行動かつ「心がけさえすれば、必ずできること」を指示してあげると、効果的な声かけになります。ぜひ、参考になさってください。