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塾頭コラム#61:“アンカー効果”を効果的に使う


今回触れる“アンカー”とは、船の錨(anchor)のことです。人間が予測・判断をする場合に、この“アンカー”が大きな影響を及ぼすことを、“アンカー効果”と呼びます。少し難しいので、たとえ話をしましょう。

例えば、「このネクタイは3,000円」と言われたときに、高いと思うか安いと思うか…。
本来ならば、縫製の状況や素材・デザインを見て判断するところです。しかしながら、素人目には縫製や素材の良し悪しなどは、なかなか判断がつきにくいところ。しかし、量販店で「ネクタイ3本で5,000円!」というポップを見た後であれば、1本3,000円は高いと思うでしょうし、逆に「ポールスミス(ブランド品)のネクタイが10,000円」という広告を見た後なら、随分安く感じるかもしれません。また、スーパーで買い物をしていると、数十円の価格の違いが気になるにもかかわらず、車など高額商品を購入する場合には、1万円の差額でもあまり気にならない…というのも、“アンカー効果”ですね。

子育てにおいても、この“アンカー効果”は良い働きをしてくれます。例えば、勉強に関して、テストの目標点を設定するとき。高すぎる目標はただのハリボテになってしまいますし、低すぎる目標はモチベーションに繋がりません。成果をあげるためには、その子に最適の目標値を掲げたいわけです。そして何よりも、目標は押し付けるのではなく自分で掲げさせたい。しかし、自由に設定させると、高すぎたり低すぎたり、つまり効果的でない目標になってしまい、意味がありません。そこで…
「今から次のテストに向けての目標を立てよう。参考までに伝えておくと、昨年●●高校に合格していった先輩たちは、この時期に平均で▲▲▲点くらいとっていたよ。さあ、君はどうする?」
と、アンカーを与えるわけです。すると、子どもたちは、そのアンカーに寄せる形で目標を定めていきます。

上手に使うと、家庭学習の時間を約束したり、スマホのルールをきめたり、お小遣いの額などにも使えそうですね。様々な場面で役に立つアンカー効果。ぜひ意識してみてください。