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塾頭コラム#63:「禁止ワード」よりも「推奨ワード」


私たちは、年頃の子どもたちに「正しい行動を促す」のが仕事です。しかし、大人のように報酬(お金)や処罰などで動かすわけにはいきませんから、多くの場合「言葉」を彼らに投げかけて、気持ちや行動を変化させるという手法をとることになります。しかしながら、この「言葉」は、とても難しいですね。

ついつい大人が多用しがちなのが、「禁止ワード」です。つまり、「●●してはいけない」という声かけですね。「ダラダラしちゃダメ」「さぼっちゃダメ」「ミスをしてはいけない」など、目の前に子どもの良くない行動があれば、それにNGを出したくなるわけです。ところが、これらの言葉を投げかけても、なかなかうまくいきません。うまくいかないだけならまだしも、逆に反発に繋がることもありますね。特にご家庭では思いっきり反発する…というケースもありますよね。そういう年頃でもあるのかもしれません。

そこで心がけるのが、「推奨ワード」です。「●●してはいけない」ではなく、「■■しよう」という声かけですね。「テキパキ行動しよう」「計画通りに実行しよう」「見直しをしよう」という感じでしょうか。どちらの表現も、内容的には同じことを伝えたいわけですが、受け手の印象が随分と異なってきますね。

同様に、「危機感フレーズ」と「期待感フレーズ」のバランスも重要です。「危機感フレーズ」としてよく使われるのは、「勉強しないと、▲▲高校なんか行けないよ」というもの。同じ内容を「期待感フレーズ」に言い換えると、「勉強を頑張れば、▲▲高校の合格も夢じゃないよ」という感じですね。これも同じ内容ですが、印象が違いますね。

これらの言い換えは、受け手に与える印象もそうですが、発言者自体の心境も変わってきます。「禁止ワード」や「危機感フレーズ」ばかりを口にしていると、大人側の焦りや苛立ち、時には怒りが増幅されています。言霊とはよく言ったもので、ネガティブな言葉は発言者の心境をも左右するということなのでしょう。もちろん、「禁止ワード」や「危機感フレーズ」を使わざるを得ないタイミングはあると思います。
肝心なのは、そればかりにならないように…
ということですので、「禁止ワード」や「危機感フレーズ」の後には、「推奨ワード」や「期待感フレーズ」を使うように意識してみると良いと思います。