塾頭コラム#66:うちの子のは危機感がない?
「テストも近いから、勉強しなくていいの?」と聞くと、「わかってる!」と怒気を含んだ返答が返ってくるのに、黙っているといくら待っても勉強を始めない…。そんな悩みをお持ちのご家庭も少なくないかもしれません。そんなことを繰り返していると、「うちの子には危機感がない?」「テストがあること、受験があることをわかっていないのかしら?」とモヤモヤしてしまいますよね。果たして、危機感がないのか?それとも危機感はあるけれど、行動が伴っていないのか?どちらなのでしょう?
突然話題は変わりますが、2023年にパナソニック株式会社が行った「防災についての意識調査」のデータを見ると、興味深い結果が見てとれます。
突然話題は変わりますが、2023年にパナソニック株式会社が行った「防災についての意識調査」のデータを見ると、興味深い結果が見てとれます。
「自然災害が多発している事に、不安を感じていますか?」 → 不安を感じている人は91.8%
「ご自宅の防災対策はできていると感じますか?」 → できていると感じている人は29.9%
日本は災害大国ですから、9割以上の方が不安を感じています。しかし、実際に防災商品や食料の備えなど、防災対策ができていると回答した人は3割程度。つまり、危機感は感じているけれど、行動できていない人の方が多いのです。命にかかわる防災対策であっても、意識と行動には大きな乖離(かいり)があります。
誤解しないでくださいね。「大人だってこうなのだから、子どもが勉強しないのは当たり前だ…」なんて暴論を述べるつもりはありません。大切なのは、「人間の意思とは弱いもので、『重要だ』『必要だ』と思ったからと言って、それだけで行動できるわけではない」ということを知っておいた方が良いということです。「何度言ってもわからないの?」「危機感がなさすぎる!」と攻撃しても、それは子どもには伝わらないことが多いです。実際には、「わかっている」し、「危機感もある」と本人は思っていますし、それでも行動できない自分に苛立ってもいます。そこに大人の怒りがぶつかると、さらに拗らせることになります。
それではどうすればいいのでしょう?肝要なのは「仕組みの力」を利用することと、「子どもの理解者である」という立場を維持することです。前者は、「何時になったら始める」「●曜日は塾の自習室を使う」などのように、「意識で行動する」のではなく、「仕組みで行動する」ように仕向けることです。後者は、このような人間の弱い性質を理解して、「あなたは意思の弱いダメな子」という悪いレッテル貼りではなく、「行動するのはなかなか難しいよね。だから一緒に乗り越えよう」というスタンスを持つことです。人間の弱さを認識して、諦めずに子どもたちにアプローチしていきましょう。そして、防災対策も忘れずに…。
「ご自宅の防災対策はできていると感じますか?」 → できていると感じている人は29.9%
日本は災害大国ですから、9割以上の方が不安を感じています。しかし、実際に防災商品や食料の備えなど、防災対策ができていると回答した人は3割程度。つまり、危機感は感じているけれど、行動できていない人の方が多いのです。命にかかわる防災対策であっても、意識と行動には大きな乖離(かいり)があります。
誤解しないでくださいね。「大人だってこうなのだから、子どもが勉強しないのは当たり前だ…」なんて暴論を述べるつもりはありません。大切なのは、「人間の意思とは弱いもので、『重要だ』『必要だ』と思ったからと言って、それだけで行動できるわけではない」ということを知っておいた方が良いということです。「何度言ってもわからないの?」「危機感がなさすぎる!」と攻撃しても、それは子どもには伝わらないことが多いです。実際には、「わかっている」し、「危機感もある」と本人は思っていますし、それでも行動できない自分に苛立ってもいます。そこに大人の怒りがぶつかると、さらに拗らせることになります。
それではどうすればいいのでしょう?肝要なのは「仕組みの力」を利用することと、「子どもの理解者である」という立場を維持することです。前者は、「何時になったら始める」「●曜日は塾の自習室を使う」などのように、「意識で行動する」のではなく、「仕組みで行動する」ように仕向けることです。後者は、このような人間の弱い性質を理解して、「あなたは意思の弱いダメな子」という悪いレッテル貼りではなく、「行動するのはなかなか難しいよね。だから一緒に乗り越えよう」というスタンスを持つことです。人間の弱さを認識して、諦めずに子どもたちにアプローチしていきましょう。そして、防災対策も忘れずに…。