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塾頭コラム#67:子どもの視点と大人の視点


「テストが近いのに、全然勉強していないじゃない!」と声をかけると、「ちゃんとしとるし!」と腹をかく…。暴言こそ吐かないものの、機嫌が悪くなる…。など、年頃になると扱いが難しくなってくることも少なくありません。日々このようなやり取りが続くと、親としても困ってしまいますよね。今回は、そういう親子の摩擦が起こりやすいシチュエーションについて、少し触れてみたいと思います。
あえて勉強以外の題材を例にとってみましょう。「ごはんをダラダラ食べる」という良くない事象があったとします。「さっきから全然食べてないじゃない!」と注意すると、「ちゃんと食べとうし!」と腹を立てる…。このシチュエーションを想像してください。実はここで、子どもと大人の視点のすれ違いが起こっています。

状況としてはイラストの通りです。スタートからゴールまで進んでほしいのですが、2割程度しか食べていませんね。そこで、叱ります。
ここですれ違ったことに気づきましたか?「さっきから全然食べてないじゃない!」

このセリフのどこがすれ違いのもとでしょう? そう、「全然」というこのフレーズです。事実は何かというと、「2割しか食べてない」です。これに対して、「全然食べてない!」と言われると、子どもは「(2割は)ちゃんと食べとうし!」と反応します。子どもの言い分は、実は間違っていません。間違っているのは、「全然食べてない!」という大人の表現なのです。屁理屈に聞こえるかもしれませんが、子どもがそう感じることが多いというのは、彼らの日頃の言動が証明しています。事実は、四捨五入してはいけないのです。
「全然勉強してないじゃない!」…子どもはそうは思っていません。「学校に行っとるし!」「部活で疲れた後も塾に行っとるし!」と思っています。無意識のうちにそう思っていて、その事実をゼロにされたことに腹を立てているのです。同様に、「いつもあなたは●●だから!」と言われると、「いつもじゃない!」という気持ちになります。仮にテストの目標点が90点のときに80点をとったとします。大人はついつい足りない10点に目が行きますが、積み上げた80点を認めた上で、あと10点に目を向ける必要があります。このように、何かを注意する時には、0か100かではなく、一部であってもできていることは認めながら、できていないことに触れるようにしていきましょう。