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塾頭コラム#73:継続は力なりって、本当?


 先日、とあるマラソン大会で、最後尾のランナーが、沿道の声援を受けながらゴールする様子を見る機会があり、なぜか目頭が熱くなってしまいました。記録的な速さではありませんでしたが、「自分で決めたゴールに向かって走り切る」その姿勢が胸に刺さったのです。何かを「続ける」というのは、案外難しいものです。特に最初のモチベーションが高かったぶん、少し成果が見えないだけで「これでいいのかな?」「やめようかな」と思ってしまうのは、大人でもあることですよね。
では、子どもたちはどうでしょう?春、新しい学年になり張り切って新しいことを始めたものの、部活や宿題、学校行事などが本格化してくる5月。この時期に「ちょっと負担かも…」と感じ始める子も少なくありません。でも、それはごく自然なことです。生活が変わると、バランスを取るのに時間がかかるものですから。通塾も、そうかもしれません。

 私が昔出会った生徒に、こんな子がいました。「中1のときに入塾したけど、なかなか結果が出ず、毎月くじけそうだった」と言っていた彼。しかし、3年間、こつこつと続けて、中3の冬には志望校に合格。合格発表後に、「あのとき、やめなくてよかったです」と笑っていた姿が、今でも忘れられません。
 もちろん、「続ける」ことが目的になってはいけませんが、「自分が決めたことを続けてみる」という経験は、子どもにとってとても大きな意味を持ちます。途中でやめるのも選択肢の一つではありますが、「ちょっと疲れているだけかな」「他と両立する方法はないかな」と立ち止まって考える時間を持つことは、とても大事です。ご家庭でも、もし「塾しんどい…」とお子さんがこぼすことがあれば、「やめる/続ける」ではなく、「何が大変なのかな?」と、まずは聞いてあげてください。そして、「頑張っているよね」と労ってあげてください。自分の頑張りを認めてもらえるだけで、「もう少し頑張ってみようかな」と思えることもあるのです。
 「継続は力なり」――
これは、すぐに結果が出る魔法の言葉ではありません。しかし、時間をかけてじわじわと効いてくる、そんな“漢方薬”のような言葉かもしれません。
新しい一年が、みなさんにとって実りある時間となりますように。そして、今スタートしたこの春の歩みが、未来の笑顔に繋がっていくことを、心から願っています。