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塾頭コラム#78:「安心感」が生み出す成績の伸び


いよいよ受験シーズンが目前に迫ってきました。この時期、受験生の中には「模試の結果が思ったより伸びなかった」「頑張っているのに成果が出ない」と、不安を口にする子が増えてきます。夏に積み上げた努力がまだ形にならず、「これで大丈夫だろうか」と焦る気持ちになるのは、むしろ自然なことです。そんな時期だからこそ、保護者の声かけが子どもの“脳のスイッチ”を大きく左右します。

心理学や脳科学の研究では、「不安」は脳の“ワーキングメモリ(作業机のような働き)”を圧迫し、理解力や記憶力を低下させることが分かっています。つまり、「早くしなさい」「なんでできないの?」といった言葉が続くと、子どもの脳は“守り”に入り、本来の力を発揮できなくなるのです。反対に、「大丈夫」「ここまで頑張ってきたね」という“安心の言葉”は、脳内でドーパミンを分泌させ、集中力や前向きな思考を引き出します

やる気は、気合いで生まれるものではありません。安心感によって脳が「挑戦できる状態」になることで、初めてスイッチが入るのです。「結果を出して安心する」のではなく、「安心するから結果が出る」。この順番を意識することが、今の時期ほど大切なタイミングはありません。

テストや入試が近づくと、どうしても結果に目がいきますが、子どもが最も必要としているのは“成果の保証”ではなく、“信頼の実感”です。保護者からの「信じているよ」「焦らなくていい」という一言が、何よりも強い応援になります。私たち教師も同じ思いで、生徒に声をかけています。「努力している姿は、ちゃんと見えているよ」と。

保護者のみなさんの中には、「励ましたいのに、つい厳しく言ってしまう」という方もいらっしゃるでしょう。大丈夫です。言葉を変えること
は、心を変えることよりもずっと簡単です。たとえば──
・「結果は後からついてくるよ」
・「今日も塾に行って偉かったね」
・「疲れてるね、少し休もうか」
そんな小さな声かけでも、子どもの脳には“安心”という栄養が届いています。安心は、怠けを生むのではなく、挑戦の土台をつくるもの。焦りの季節だからこそ、「もっと頑張れ」よりも「よく頑張っているね」を。安心という見えないサポートが、子どもたちの集中力とやる気を
燃やしていく──そんな11月であってほしいと願っています