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ホーム >  本校ブログ >  塾頭コラム#89:勉強したのに、なぜ忘れるの?

塾頭コラム#89:勉強したのに、なぜ忘れるの?


夏休みが終わりました。夏期講座を通して、たくさんのことを学んだ子どもたち。机に向かい、問題を解き、覚えるべきことを覚えました。ところが、9月になって以前解いた問題に取り組んでみると、「あれ?これ、夏にやったはずなのに…」そんなことが起こります。保護者の方からすると、せっかく勉強したのに、もう忘れたの?夏期講座、無駄だったの?と思ってしまうかもしれません。本人も、「あんなに頑張ったのに…」とガッカリすることがあります。でも、安心してください。人間は、忘れる生き物です。一度勉強したことを、そのままずっと覚えていられる人はほとんどいません。むしろ、学んだことを時間とともに忘れていくのは、ごく自然なことです。
では、忘れてしまった勉強は無駄だったのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。学習において大切なのは、一度で完璧に覚えることではなく、忘れかけた頃にもう一度思い出すことです。ここで重要になるのが、アクティブリコールという学習法です。簡単に言えば、答えを見ながら覚えるのではなく、自分の頭から答えを引っ張り出す練習です。たとえば英単語なら、英単語と日本語訳を何度も眺めるだけではなく、日本語訳を隠して意味を思い出してみる。社会なら、教科書を繰り返し読むだけではなく、何も見ずに覚えていることを書き出してみる。数学なら、解説を読んで分かったところで終わらず、解説を閉じてもう一度自分で解いてみる。この思い出そうとする作業そのものが、記憶を強くしていきます。
もう一つ大切なのが、分散学習です。同じ内容を一日に何度も繰り返すより、少し時間を空けて、何度か復習する。今日覚えたことを明日、数日後、さらにその後……と、間隔を空けながら思い出す機会をつくることで、記憶は定着しやすくなります。つまり、「忘れる→思い出そうとする→もう一度覚える→また少し忘れる→もう一度思い出す」この繰り返しこそが、学習なのです。
そう考えると、9月はとても大切な時期です。夏休みに一生懸命勉強した内容を、まだ比較的記憶に残っているこの時期にもう一度引っ張り出す。夏にできるようになった問題をもう一度解く。覚えた知識をもう一度確認する。夏休みにたくさん勉強したから、もう大丈夫ではありません。夏に学び、秋に思い出す。そこまでやって初めて、夏の努力が本当の学力へと変わっていきます。ご家庭でも、お子さんが以前勉強した内容を忘れていたときに、せっかく勉強したのに、「もう忘れたの?」ではなく、「忘れていたなら、今もう一度覚えればいいね。」そんなふうに捉えていただければと思います。
忘れることは、勉強ができていない証拠ではありません。もう一度学ぶタイミングが来たというサインです。九大進学ゼミでも、夏期講座でたくさんの学習を積み重ねました。8月号では、この夏だけ頑張るのではなく、勉強が続く習慣を身につけることの大切さをお伝えしました。
その夏の頑張りを、本当の力に変えていくのがこれからです。
忘れて、思い出して、また忘れて、また思い出す。一見すると遠回り
のようですが、それが記憶を育てる道です。夏にまいた学びの種を、
秋にしっかりと根づかせる。そんな9月にしていきましょう。