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令和7年度公立高校入試改革②~国語編~


「令和7年度公立高校入試」改革について、数学に続き今回は国語編です。

今後の入学選抜は、「ふるさとへの愛着や誇りを育む」、「探究的な学びを推進する」、「自らの可能性を高め、自分らしさを育む」の3つを柱に改善されます。国語では問題にどのような変化があるのでしょうか。
例年、国語は大問4題で構成され、最後の大問4は会話文とアンケート結果やグラフなどの資料について問われます。入試改革に関わらず近年の出題傾向として、扱う資料が複数に渡り、目的に応じた情報を整理して的確に表現する力が求められるようになりました。その点で見ると、国語は他の教科に比べ大きな変化はなさそうに思えます。しかし実際は【出題のねらい】にもあるように、決まった答えのない問いに対し、互いの発言を踏まえながら、合意形成に向けて考えをまとめたり広げたり深めたりする力を測るための出題構成となっています。主に3つのポイントに注目してみていきましょう。
①「ふるさとへの愛着や誇りを育む」
令和7年度問題例では、実際の長崎新聞の記事を資料の1つとして取り入れています。これまでにはあまり見られなかった形式です。日常生活の中からの話題であり、地域の取り組みとして身近に感じられるものが題材に取り上げられる可能性は大いにありそうです。普段から、地域の魅力や課題などに対して、興味関心や問題意識を持つことが大きなアドバンテージとなりそうです。
②「探究的な学びを推進する」
令和5年度までは、問題文の指示に従って、2つ以上の資料を正確に読み取り、情報を整頓し表現するという問題が、1、2問出題される傾向にありました。しかし今後は、何が問われているのか自分で課題を設定し、それに必要な情報を集め、整理・分析し、まとめて表現するまでの探究力が求められています。
例えば、問一では、「【話し合い】の□には、どのような言葉が入るか。四十字以内で書け。」と問われていますが、過去の問題であればこれに「Cさんの発言をふまえて…」や「【資料2】の中から…」といった条件がヒントとして与えられることがほとんどでした。しかし、こちらの例題では、穴埋めの直前の一文にある「鈴木さんの思いに応えること」をふまえなければならないことに自分で気づき、必要な情報を自力で見つけ出すところまで試されています。
③「自らの可能性を高め、自分らしさを育む」
条件に従って作文するという問題は以前にも出題されており、自分の意見を書くような問題はありました。今後はそれに加え、他者の意見に合意した上でオリジナルの考えを表現し、発展させる力が必要とされる問題に進化しており、問二は【出題のねらい】に則した出題となっています。これは、普段のコミュニケーションの中でも大切にされていることであり、正解のない解答を作らなければならないという点では、自由度はかなり高いといえます。しかし、自由度が高いからこそ、「何を書いたらいいのか分からない」と困惑してしまうことにもなります。普段から、さまざまな事象に対して、自分なりの考えを持つといった訓練が、力を付けるためにもっとも必要なことだと思います。例えば、家族や友人同士の会話、テレビやSNS等で得た情報に対して自分はどう思うのかということを日頃から考えたり、他者と意見交換をしてみたりということをしておくと、いざ意見を求められたときにスムーズに自分の考えを導き出すことができるでしょう。これは入試においてだけでなく、社会に出てからも求められるものであり、早いうちから慣れておかなくてはならないことだと感じます。

多様性が重視され、AIを活用しながら進化していく現代社会において、相手を尊重し受け入れた上で自分の考えを適切な表現で発信していく複合的な力=思考力・判断力・表現力が強く求められています。その力は一朝一夕で身につくものではありません。これから受験勉強は、日常生活において培った能力を試される場となっています。